おとこい - 音楽と恋に落ちる

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ウルトラ寿司ふぁいやー『パリピじゃNIGHT/大人だけど恋してます。』感想

 

去年メジャーデビューした『ウルトラ寿司ふぁいやー(ウル寿司)』というバンドを超推してるんですが、3月20日に「パリピじゃ☆NIGHT/大人だけど恋してます。」をリリースしています。

 

そちらに収録されてるパリピじゃ☆NIGHT』『大人だけど恋してます。』『終電後ドン・キホーテ3曲の感想を書きました。

 

個人的に『終電後ドン・キホーテ』はめちゃめちゃおすすめ。4月4日現在の2024年リリース限定年間ベスト5に入ってます。

 

 

と、いうコトでいってみよう。(※以下敬称略)

 

 

 

パリピじゃ☆NIGHT

 

イントロから太い低音のサックスから超かっこよすぎる。聴いただけでモエシャンのボトルを開けたくなる音してる。

 

Aメロで曲の世界観に身体が馴染んだあと、Bメロのなめちゃんのピアノ×尚也さんのベースがくる。

ピアノは音がテッカテカに光ってパッキパキ。この曲のレコーディングにはアップライトピアノが使われているけど、すらっと流れるところでさえも一音一音が眩しい。

ベースはドゥーン……ドゥーン……ドゥーン……ドゥーンと、ゆったりとした音が4回聴こえるけど五臓六腑にまで響き渡るよこの音。

 

 

そしてサビ前、圧倒的存在感のギター加部輝。

 

 

音が濃縮されたような楽曲なのに、全くぶれない。安心と安定の加部輝。サビでJぺいしょーりんが歌おうとも耳がギターの音に反応する。

特にまじくんのラップの後ろとか「まじくんもラップもいいけど俺の音も聴こうよ、俺ここにいるから俺の音聴いてよ」と言わんばかりに聴こえる。

(そのうえ「テッキィーラ!!」言ってる人と同一人物という現実どうかしてる。)

 

 

そこからリードボーカルJぺいに耳もぎ取られる。

 

 

「俺やっぱパリピっじゃあ゛ん゛ないっや゛ってLowdown⤵」

 

 

ハイトーンボーカルでこんな突き上げるパンチ効いた声、出せる人なかなかいないでしょう。そしてリードボーカル二人のハーモニー。

 

「グルグル廻りだす」

 

ここがいいんだ。しょーりんが前に出てJぺいが後ろでハモりになる不意打ち。頭に残る。好き。

 

2回目のサビが終わるとグッと音数が減りグルーヴィーな構成に。イントロのサックスをループさせつつ、コンガとドラムスティックっぽいカチカチ音が隠し味。細かすぎて伝わらないけど全集中で聴いてほしい。

 

転調したラスサビはアガるでしかない。歌詞でも「乗り切れなくてもOK」って言ってるんだ、頭空っぽにして楽しむしかないそれに尽きる。

 

 

大人だけど恋してます。

 

率直に言って大好き。ウル寿司の強みであるハーモニーの厚さバンドのグルーヴがシンプルに堪能できるナンバー。寿司的ドゥーワップ

 

なんといっても、アカペラ出身勢がいるからこそ作れる完璧なドゥーワップ

このドゥーワップとハーモニーを存分に味わいたいので、あったかいごはんください。あっ、おかわり分の準備もお願いします。間奏の一人だけコーラスパートが分かれるところで絶対ごはんおかわりするので。

 

Jぺいの歌声がすんごいリズムが強調されてていい。冒頭のベイビッに始まり、マイッハァニッ、とんなりのまちっ、リッサアチしてっ……とか紹介してたらキリ無いけど、特に推せるのはラストのいんすてれぇぇぇっどっ。語尾の息遣いが色気含んでる。

前後である"So I find"と"of you"は清涼感あるけど、ここだけそれが消えてる。絶対わざとだよコレ。

 

サウンドの聴きどころは3つ。アカペラ出身勢がいるハイクオリティなハーモニーだけがウル寿司じゃないんだ。アカペラ出身者×バンド出身者という奇跡がウルトラ寿司ふぁいやーなんですよ!!!(力説)

 

1つ目は左からずっと聴こえるタンバリン。すごく軽快な音してるからノリノリ感倍増。

2つ目はめちゃめちゃ細かくビートを刻んでるパーカッション。連打(ロール)っぽいのが聴こえる。Bメロやギターソロ開けがわかりやすい。

3つ目はギターの重ね録り。右と左違う音に挟まれてるからグルーヴの気持ちよさがマシマシになってる。加部輝の左右違う音色に挟まる気持ちよさを知って元に戻れない耳になってほしい。

 

 

終電後ドン・キホーテ

 

最後の最後にとんでもない曲が入ってた。なんでこれトリプルA面しなかったんですか?って思うぐらい良曲。

甘酸っぱいサウンド、スムーズに流れるグルーヴ、切なさを含んだ甘すぎない歌声……最高かよ。

 

サウンドに関してはシンセの音色はほんのり甘く爽やかで流れていく感じ。くわえてリズム隊が前に出ているからグルーヴがしっかりしてる。

それに真ん中でガッツリ鳴ってる太いベースがすんごい気持ちいい。最後のサビで重低音のうねりが来る感じ気持ちいい。

ドラムは控えめながらもキックの振動がとても身体にくるのがいい。被せてる打ち込みのビートもすごくハマってる。

 

歌声はなんといっても……

 

 

しょーりんのファルセットがやばい。

 

 

役者さんには演じた役が憑依するタイプの人がいるけど、しょーりんは歌声に歌詞の物語が憑依してる。優しいけど寂しさをすごく感じる。

 

「買わない香水付けあったの楽しかったね」はなめらかにファルセットに切り替わるけど「香水」で声が震えてる感じ「終電後ドン・キホーテ」のちょっと強めでファルセット。ときめく。

「また気が向いたらねって言ったまま全然連絡くれないから」のファルセットはいい意味でゾクゾクするし、「全然」だけすごく寂しそうな感じで胸が締め付けられる。

 

(そのあとに「悔しいけどまた僕が誘って 」ってやや強めのJぺいさんのファルセットがくるのもいい。)

 

 

歌詞書いてるのはまじくん一人だけど……『毒を頂戴』のまじくん、どこいった?

爽やかで泣けるし"kiss kiss""skip skip"と思わず口ずさんでしまうし、コーラスの"I wanna baby you make happy"、"I need you babyまで含めて好きです。(間違ってたらスミマセン;;)

 

この曲が主題歌のミニドラマ「またドン・キホーテで君と」鈴鹿央士と河合優実でやってほしい。

「またね」ってはにかんで八重歯が見えて小さく手を振る河合優実と、大人買いしたお菓子抱えて歩きながら笑顔で話す鈴鹿央士が見えるんだよ。(何言ってんだお前。)

 

 

 

おわりに……あとふたつだけ。まずは『大人だけど恋してます。』について。

 

大人になっても恋していいんじゃない?

世の中には『大人=恋しちゃダメ』みたいな空気が流れてるのか知らないけど……恋ってどうにもなんない感情だし、悪いことじゃないじゃん。

 

もし、どこか恋に戸惑い感じてしまってる人がいるなら「大人ぶってないで落ちていけ」とこの曲に背中を押されて、クラブ行くなりドンキで過ごすなりして、意中の相手誘ってほしいなんて思います。

 

 

もう一つはウル寿司について。

 

  • 複数リードボーカル
  • コーラスの厚みとクオリティ
  • 7人のグルーヴ(アナログの強み)
  • 日常に寄り添う音楽
  • 楽しくてちょっと笑える感じ

 

この5つが強みだなと思った。

花形であるボーカルの構成が幅広いのは強い(し、皆ガチのマジで歌上手い)。コーラスはバンドのそれじゃないハイレベル。7人でキレイにグルーヴまとまってるのは奇跡。

 

あとは……説明が難しいけど、現代って多くの人は毎日を必死に生きている訳で。そんなしんどい日々をちょっと笑える感じに変えたり、楽しくしたり、頑張ろうって思える楽曲がウル寿司は多いと思う。

 

ただ『私はかまいません』『寿寿寿寿司司司司』『パリピじゃNIGHT』は、そんな日常からちょっと離れてる気がする。肩に力が入ってると書けばいいのかな。

 

肩の力を抜いて、聴き手の日常に寄り添う。そんな音楽が「ウルトラ寿司ふぁいやー」なんだなと思いました。以上。